- わかりやすい文章の書き方に「情報整理」は欠かせない要素です。
- 「対比」や「比較」をすることで、言いたいことが伝わる文章になります。
- 上手い文章の書き方は、決まった「型」にはめるだけ!
今回のテーマは『わかりやすい文章・上手い文章の書き方』について!
どうもー!トールです(@tooru_medemi)
わかりやすい文章、上手い文章を書きたいなら、今回紹介する「決まったパターン」や「テンプレート」に当てはめて文章を書いてみましょう。
接続語を使ったり、修飾語を使ったり、主語を明確にしたりといった、文章のテクニック論を覚える前に、たった1つの型を覚えるほうが何倍も効果があります。
わたし自身、文章を書く仕事をしていますが、この1つの型を使い始めてから数多くの成果につながりました。
- Webライター歴:7年目(2017.4〜)
- 主な活動:SEOライティング、記事構成・修正、ブログ運営、など
- 執筆経験:BtoB企業サイト、BtoCメディア、接骨院、人材派遣、ソフトウェア、など
- 執筆本数:1,000記事以上
- YouTube:ライター・フリーランス情報など配信中
今回紹介する「伝わる文章のポイント」や「文章のテンプレート」は、論理的に文章を組み立てられるため、読者に伝わりやすいのも大きな特徴です。
また以下のように、あらゆる文章で使うことができます。
- ビジネス文書、プレゼン
- Webサイト、ブログ記事
- メルマガ、SNS
- 小論文、作文
Webライター視点で言うならば、どんなジャンルの記事にも対応でき、どのジャンルでも読者にわかりやすい文章を書けるようになります。
この記事の内容を実践するだけで、今までよりも品質が高い記事を書けたり、わかりやすく論理的な文章を書けるようになるので、ぜひ実践してみましょう。
わかりやすい文章は「情報」が整理されている
言いたいことが全然伝わらない人は、自分の伝えたいことだけを「思いついたまま」に伝えようとするので、どんな文章であろうが相手には上手く伝わりません。
一方で、相手にわかりやすく伝えられる人は、相手の知りたいことを理解して、結論を示しつつ要点だけを絞って伝えることができます。そのため、短い文章でも正確に伝えることができます。
また、人に道を教えるのが上手な人は、わかりやすく伝えられる人の典型例です。
- 結論を伝える(目的地までは何分で行けるか、何メートルあるか)
- 要点だけを絞る(信号・看板・建物など目印になるモノ、曲がる方向だけを伝える)
わかりやすく伝えることが上手な人ほど、必要な情報だけを、適切な順番で伝えようとします。これが1つ目のポイントです。
わかりやすい文章を書きたいのであれば、相手のことを理解して、相手に必要な情報だけを、正しい順序で書くことを意識しましょう。
そのためにも、伝えたい情報を「整理」しておくことは、文章を書くときに欠かせません。
情報を整理するだけで、論理的に文章を書ける
書き手の頭に浮かんだことを「そのまま文章にしてしまう」と、読者は混乱するでしょうし、ストレスさえ感じるかもしれません。
しかし、情報を整理して「論理的(筋道立てて)」に書いた文章は、非常にわかりやすくて、読みやすくなります。
記事を書く前に、以下のポイントを押さえつつ「情報を整理」しておきましょう。
- 対比
- 抽象度
- 因果関係
1つ目の「対比」とは、2つのモノ、コトについて、その違いや特性を比べることです。
2つ目の「抽象度」とは情報の階層構造のことで、簡単に言うと「具体的」か「抽象的」かに分かれます。
3つ目の「因果関係」とは、起きている現象に対して、原因と結果のつながりを明確にすることです。
それでは、この3つのポイントについて、具体例を挙げてみましょう。
【対比】
高速道路は、信号が無くてスムーズに進めるが、料金がかかる。一般道は、信号があってスムーズに進めないが、料金はかからない。
- 「高速道路」と「一般道」
- 「信号が無くてスムーズに進める」と「信号があってスムーズに進めない」
- 「料金がかかる」と「料金がかからない」
(誤り)一般道は、信号があってスムーズに進めない。飛行機は、止まることなく移動できる。
対比するときは、それぞれに「関連性」があるかに注意しましょう。2つのモノ・コトに関連性がなければ、対比にはなりません。
「一般道」と「飛行機」では関連性が薄いので、たとえ事実を述べていても今一つ伝わりにくい文章になってしまいます。
【抽象度】
最近、ダイエットを始めました。糖質制限、ウォーキングをしています。
- 抽象:ダイエット
- 具体:糖質制限、ウォーキング
(誤り)最近、ダイエットを始めました。糖質制限、適度な運動をしています。
「抽象化」と「具体化」を使い分けることで、理解しやすい文章になります。
ただし、対比のように何かを比べるときは、それぞれの「抽象度を合わせる」ことが重要です。抽象度が合っていないと、かえって分かりにくい文章になってしまうからです。
「糖質制限」と「運動」では抽象度が合っていないため、たとえば「糖質制限」と「有酸素運動」というように抽象度を合わせると分かりやすくなります。
【因果関係】
外出中に紫外線を浴びたから、顔が真っ黒に日焼けしてしまった。
- 原因:紫外線を浴びた
- 結果:真っ黒に日焼けした
(誤り)外出中に紫外線を浴びてしまったから、翌日に40度の熱が出た。
「紫外線を浴びる」ことと「発熱」には、本当に因果関係があるのでしょうか。
このように、因果関係について述べるときは、原因と結果のつながりが「妥当か」ということに気をつけてください。因果関係のつながりが弱いと、説得力に欠ける文章になるからです。
これら3つのポイントの中でも、とくに「対比」と意識することで、文章に説得力を持たせることができます。
伝わる文章を書くには「対比」がポイント
わたしたち人間には、日常的に「比較」と「選択」を繰り返しながら、あらゆる物事を理解しようとする性質が備わっています。
相手に伝わる文章を書くためには、この人間特有の性質を知っておきましょう。
対比することで「相違点」を明確にできる
結論だけを書くよりも、対比関係を意識しながら書くことで、相手に伝わりやすい文章になります。これが2つ目のポイントです。
「要点・結論」といった書き手が伝えたいことだけを書いた場合、スッキリした読みやすい文章になります。ところが、書き手目線の「一方的な文章」になりがちです。
そこで、あえて「対比」することを意識しながら書くことで、読者に「気付き」を与えていきましょう(読者目線の文章になる)。
- 結論のみ:ストレートに伝えられるが、書き手主導
- 対比関係:読者に気付きを与えて、より理解を促す(説得力がある)
対比関係を利用しながら「相違点」を明確にしていけば、伝えたい内容にも説得力が生まれます。その結果、より理解しやすくて伝わる文章に仕上がるでしょう。
また、あらゆる物事について対比して論ずるとき、以下の3つの観点がポイントになります。
- 客観性
- 独自性
- 普遍性
「客観性」とは、個人の考えや価値観に左右されない「大多数の人」が納得できる状態のことです。客観性のレベルがより高ければ、多くの人を納得させることができます。
【客観性】の対比例
- 夏は気温が高くなるので「熱中症」への対策が必要であり、真冬になると「低体温症」への注意も必要だ
- 鉄製のフライパンは焦げつきやすいが、テフロン加工のフライパンは焦げつきにくい
「独自性」とは、少数の人にしか思いつかないようなアイデア、その人だけの個性、その物事だけにある特性のことです。独自性のレベルがより高ければ、多くの人から共感を得ることができます。
【独自性】の対比例
- トマトパスタに茄子のトッピングは定番だが、暑い時期には「焼いた塩サバ」をトッピングすることもある
- 日本では「子供が3歳になるまで」時短勤務を認める企業が多い中、トヨタは「子供が18歳になるまで」時短勤務を認める方向だ
「普遍性」は、世の中の広くのことに通じる性質、観点のことです。普遍性のレベルがより高ければ、多くの場面で応用することができます。
【普遍性】の対比例
- 夢を持つことは人間だけだが、命に限りがあることは全ての生物に言えることだ
- 家族との縁は一生続くが、他人との縁も、学生、社会人、老後、など人生を通じて大切なものである
これら3つの観点を意識しつつ「対比関係」を作りながら書いていけば、今までとは違った文章に仕上がります。ぜひチャレンジしてみてください。
対比の観点を高めるコツ
類似した物事を「対比」していくとき、対比する観点のレベルが高くなるほど、より相手に伝わりやすい文章を書けるようになります。
ありきたりな観点でしか物事を見れないと、文章の内容も薄くなりがちです。しかし、さまざまな観点で物事を捉えられると、文章に「多様性」が生まれます。
そこで、対比するときは、以下のポイントで物事を見るように意識しましょう。
- 静止画よりも「映像」として捉える
- 具体的よりも「俯瞰」して捉える
- 因果関係があるかを考える
たとえば「車」をイメージするとき、写真を見てるだけだと「色」や「形」といった見た目に意識が行きがちです。
しかし、車が走っている「映像」をイメージできれば、車の「乗り心地」や「加速感」といった観点を持つことができます。
スポーツカーは車高が低いため「地を這うような」爽快な加速感を楽しめる。ワンボックスカーは車高が高いため、アクセルを踏み込んでも加速感をあまり感じない。
また、見た目や機能など「具体的な視点」を持つことも大切ですが、より俯瞰して捉えることも必要です。そうすることで「読者の気持ち」に焦点を当てた、視野の広い表現をできるようになります。
俯瞰するときは「因果関係」を整理しながら進めていくことがコツで、それにより説得力がある観点・視点を持つことができます。
このように、文章を書くときに「心理状態」や「気持ち」といった面も表現できれば、より相手に伝わる文章を書くことができるでしょう。
あとは、整理した情報、対比した情報を、文章を「型」にはめて書くだけです。
文章が上手に書ける「型」がこれ!
文章を書くときのテンプレとしては「PREP法」や「SDS法」などが有名。ただ、説得力という点を考えると、以下のテンプレを使ったほうが有効です。
- 〇〇○ は、△△△ なため、□□□ である。
- しかし、●●● は、▲▲▲ なため、■■■ である。
- だから、〇〇○ よりも ●●● のほうが ※※※ であると言える。
これは、福嶋隆史さんが考案した「ふくしま式200字メソッド」で、対比関係を用いた文章のテンプレートです。
以下の著書でも、詳しく紹介されています。
まずは、以下の例文をご覧ください。
赤外線は体の奥まで届くため、体を芯から温めることができる。
これだけでも伝わりますが、読者にもっと「理解してもらえるよう」に伝えるには、この記事で解説してきた「対比」を意識しましょう。
対比関係を使って文章を書くときは、前述した「ふくしま式200字メソッド」のテンプレをベースにすると簡単です。
先ほどの例文について「対比」を取り入れると、以下のようになります。
紫外線は、浅い部分にしかエネルギーが届かないため、皮膚に影響を及ぼします。
しかし、赤外線はエネルギーが深い部分にまで届く性質があるため、皮膚ではなく筋肉に影響を与えます。
だから、紫外線よりも赤外線のほうが、体を芯から温めることができるでしょう。
伝えたいことは「赤外線=体を芯から温められる」ということですが、あえて紫外線と対比させることで説得力を高めています。
この例文での対比関係を、もう少し詳しく見ていきましょう。
紫外線は、浅い部分にしかエネルギーが届かないため、皮膚に影響を及ぼします。
しかし、赤外線はエネルギーが深い部分にまで届く性質があるため、皮膚ではなく筋肉に影響を与えます。
- 「紫外線」と「赤外線」
- 「浅い部分に届く」と「深い部分に届く」
- 「皮膚に影響する」と「筋肉に影響する」
だから、紫外線よりも赤外線のほうが、体を芯から温めることができるでしょう。
このように、主部だけでなく「述部」についても対比させることで、読者がより理解しやすくなります。
また、接続語を正しく使うことで文章全体がよりスムーズな流れになり、伝えたいポイントを強調することも可能です。
文章で対比させるときのポイント
対比することを「何かと何かを比べればいい」という程度に考えていると、つじつまが合わない内容になったり、論理が破綻してしまったりと、いかにも下手な文章になってしまいます。
文章を書くときに対比関係を使うなら、以下のポイントを押さえておくと良いです。相違点が明確になり、説得力がある上手な文章が書けるでしょう。
- 観点の数を揃える
- 目線を揃える
- 抽象度を揃える
- 因果関係を整える
- 結論をしっかり区別する
それでは、例文を使いながら説明していきます。
「観点の数」を揃えることは、文章で対比させるときの基本です。
- コーヒーには、カフェインが多く含まれているため、覚醒作用があるとされています。
- 一方、紅茶には、カテキンが多く含まれており、殺菌や食中毒予防に効果があるそうです。
コーヒーと紅茶について、それぞれ「成分」と「作用」という2つの観点から比較しています。この観点の数が合っていないと、説得力に欠けてしまうので注意しましょう。
対比するときに、書き手と読者の「目線」を揃えることも、大切なポイントです。
- 無駄に長い説明は、伝わりにくいことが多い。
- しかし、端的にまとまった説明は、とてもわかりやすい。
一見すると正しいように思えますが、この「伝わりやすい」と「分かりやすい」では視点が異なります。伝わるのは書き手目線、分かるのは読者目線だからです。
目線を意識することで、より理解しやすい文章に仕上がるでしょう。
観点の「抽象度」を揃えることも、忘れてはいけないポイントになります。
- スマホは、写真や動画も撮れる便利なツールです。
- 一方、パソコンは、持ち運びができます。
スマホでは具体的な機能を挙げているのに対し、パソコンは抽象的な長所を挙げています。このように抽象度がズレていると、何が言いたいのか分からない文章になってしまいます。
「因果関係」が合っているかも、対比するときには気をつけてください。意外と受けてしまうポイントであり、注意が必要です。
- 夏の猛暑になると、熱中症になる人が増えてくる。
- ところが、冬の寒い時期になると、脱水症になる人が出てくる。
はたして、冬になると脱水症の人が増えるのでしょうか。これは、原因と結果の関係が破綻しています。これは分かりやすい例でしたが、因果関係が成り立たなければ「論理が破綻」してしまうので気をつけましょう。
あとは、対比を説明する部分と「結論」をしっかり区別することで、対比による説得力が強化されます。
お金は、いつの時代も善人を悪人に変えてしまうことがある。一方、夢を持つことは、時代が変わろうとも人を大きく育てる糧となる。
- (誤)だからこそ、お金よりも夢を持つことのほうが、人は大きく育つだろう。
- (正)だからこそ、お金よりも夢を持つことのほうが、世の中に役立つ大人になれる最善の道だ。
誤りの例は「人が育つ」ということを、比較と結論で繰り返しています。これでは説得力に欠けるため、結論では「視点を変えて」表現することがポイントです。
ふくしま式テンプレに限らず「文章で対比関係を使う」ときは、これら5つのポイントに注意しましょう。