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AIで文章作成するメリット・デメリット!業務で使う前に知っておくべき判断基準

AIで文章作成するメリット・デメリット!業務で使う前に知っておくべき判断基準
ポイント!
  • AI活用は「使う・使わない」ではなく「どの業務に・どう使うか」が判断基準となる
  • ハルシネーションや著作権侵害など、リスクを理解し対策を講じた上で活用すべき
  • AIはアシスタントとして活用し、最終的な判断と責任は常に人間が持つことが重要
今回のテーマは『AIライティングのメリットとデメリット』について!

どうもー!トールです(@tooru_medemi

「AIで文章を作ってみたいけど、実際どうなの?」

メリットとデメリットを調べても、結局「どちらもあります」で終わる記事ばかり。自分の業務にどう当てはめればいいか分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、AIによる文章作成は「使うか・使わないか」ではなく「どの業務に・どう使うか」が重要です。

そこで本記事では、筆者が1年半にわたり業務でAIを活用してきた経験をもとに、成功パターンと失敗パターンの両方を具体的にお伝えします。すぐに使えるプロンプトテンプレートも用意しましたので、ぜひ活用してください。

目次[閉じる]




AIによる文章作成とは?仕組みを簡単に理解する

AIによる文章作成とは、ChatGPTやClaude、Geminiなどの「生成AI(大規模言語モデル)」を使って文章を自動生成する方法です。

仕組みを簡単に説明すると、AIは膨大なテキストデータを学習し、「この言葉の次には、この言葉が来る確率が高い」というパターンを習得しています。ユーザーが指示(プロンプト)を入力すると、学習したパターンに基づいて「それらしい」文章を生成します。

つまり、AIは「内容を理解して書いている」わけではありません。あくまで確率的に「自然な文章」を組み立てているだけです。

この仕組みを理解しておくと、後述するメリット・デメリットがなぜ生じるのか、腹落ちしやすくなります。

たとえば「ハルシネーション」と呼ばれる事実誤認が起きるのは、AIが「もっともらしい言葉の並び」を優先し、「事実かどうか」を判断していないためです。

主な文章作成AIツールと選び方

「どのツールを使えばいいのか」は、最初に誰もが迷うポイントです。ただ、最初から「最適なツール」を選ぼうとする必要はありません。

以下に、2026年1月時点での主要ツールの特徴をまとめました(料金は変動するため、最新情報は各公式サイトで確認してください)。

ツール名料金(税別)得意分野注意点
ChatGPT無料版あり/Plus月額20ドル(約3,000円)汎用性が高く、情報も多い無料版は学習に使用される場合あり
Claude無料版あり/Pro月額20ドル(約3,000円)長文の論理構成、丁寧な説明文画像生成機能なし
Gemini無料版あり/AI Pro月額2,900円Google検索との連携、最新情報日本語の自然さがやや劣る場合あり
Copilot無料版あり/Pro月額20ドル(約3,000円)Word・Excel・PowerPointとの連携Microsoft 365契約が別途必要

※為替レートにより日本円換算は変動します。

野村総合研究所の「IT活用実態調査(2025年)」によると、生成AIを導入済みの企業は57.7%に達し、前年の44.8%から大幅に増加しています。もはや「使うかどうか迷っている段階」ではなく、「どう使いこなすか」のフェーズに入っています。

とはいえ、最初から「最適なツール」を選ぼうとする必要はありません。参考までに、私自身の使い分けをお伝えします。

  • ブログ記事の構成案 → Claude(論理的な構成が得意)
  • SNS投稿の複数案作成 → ChatGPT(バリエーションを出すのが速い)
  • 最新トレンドを含む記事 → Gemini(検索連携で情報が新しい)
  • Word資料の下書き → Copilot(そのままWordで編集できる)

ただ、これも1年半かけて試行錯誤した結果です。まずはChatGPTの無料版で試し、物足りなさを感じた部分を他ツールで補う——という流れがおすすめです。

AIで文章を作成する6つのメリット

AIを文章作成に活用することで得られるメリットは、大きく6つあります。

ただし「AIを使えばすべてが楽になる」というわけではありません。どの工程が、どれくらい効率化されるのかを理解しておかないと、期待外れに終わることもあります。

ここでは、具体的な数字・事例・プロンプト例を交えながら、それぞれのメリットを解説します。

作業時間を大幅に短縮できる

最大のメリットは、文章作成にかかる時間の短縮です。

では、実際にどれくらい短縮されるのか。私が3,000字のブログ記事を書くときに計測したデータをお見せします。

工程AI導入前AI導入後短縮率
構成案の作成40分10分75%減
初稿の執筆90分30分(AI下書き+修正)67%減
推敲・校正30分40分(AI出力の確認含む)33%増
合計160分80分50%減

この表で注目していただきたいのは、推敲・校正の時間はむしろ増えているという点です。

AIの出力を鵜呑みにせず確認する工程が加わるため、この部分は短縮できません。ですから「全自動で完成」と考えると失敗します。

また、すべての業務で同じ効果が出るわけではありません。どんな業務で効果が出やすいか(出にくいか)を整理すると、以下のようになります。

短縮効果が大きい業務短縮効果が小さい業務
構成が決まっている定型文書独自の調査・取材が必要な記事
複数パターンが必要な短文社内の暗黙知を言語化する文書
既存情報の要約・整理微妙なニュアンスが重要な顧客対応文

構成案を作る工程は、特に効率化しやすい部分です。「自分もやってみたい」という方のために、そのまま使えるプロンプトを用意しました。[ ]の部分を自分の内容に書き換えて使ってください。

あなたはSEOに詳しいWebライターです。
以下のテーマでブログ記事の構成案を作成してください。

■テーマ:[ここにテーマを入力]
■想定読者:[ターゲットを入力]
■読者の悩み:[解決したい課題を入力]
■文字数目安:3,000字

以下の形式で出力してください:
1. タイトル案(3パターン)
2. リード文(100字程度)
3. H2見出し(5〜7個)
4. 各H2の下に入れるべきポイント(箇条書き3つ程度)

「書き出せない」「途中で詰まる」を解消できる

「何を書けばいいか分からない」「途中で手が止まる」。いわゆるライターズブロックを解消できるのが、AIの大きな価値です。

私自身、こんな経験がありました。

手が止まってしまった経験
クライアントから「DX推進の成功事例をまとめた記事を書いてほしい」と依頼されたとき、切り口が決まらず3日間手が止まりました。「DX成功事例」といっても、業種別に書くのか、規模別に書くのか、期間別に書くのか、アプローチが無数にあって決められなかったのです。

最終的にAIに「中小企業のDX推進記事の切り口を10パターン提案して」と依頼したところ、10分で以下のような案が出てきました。

1. 失敗から学ぶ:DXでつまずいた企業の共通点
2. 予算別:100万円/500万円/1000万円でできるDX
3. 業種別:製造業/小売業/サービス業のDX成功パターン
4. 規模別:10人/50人/100人企業のDX進め方
5. 期間別:3ヶ月/半年/1年で成果を出すDXロードマップ
...(以下略)

この中から「予算別」の切り口を選び、記事を完成させました。AIがなければ、さらに数日悩んでいたでしょう。

同じような経験がある方のために、状況別のプロンプトを3つ用意しました。

①切り口が決まらないときは、こちらを使ってください。

「[テーマ]」について記事を書きます。
読者の興味を引く切り口を10パターン提案してください。
それぞれ、なぜその切り口が効果的かの理由も添えてください。

②書き出しで迷っているときは、こちらが便利です。

以下の記事の書き出し(リード文)を3パターン作成してください。
それぞれ異なるアプローチで書いてください。

■記事タイトル:[タイトル]
■想定読者:[ターゲット]
■記事の結論:[伝えたいこと]

パターン1:問題提起型(読者の悩みから入る)
パターン2:結論先出し型(結論を最初に述べる)
パターン3:ストーリー型(具体的なシーンから入る)

③途中で詰まったときは、以下のように「ここまで書いた文章」と「次に書きたいポイント」を伝えると、続きを提案してもらえます。

以下の文章の続きを書いてください。
現在の文脈を維持しながら、次のポイントにつなげてください。

【ここまで書いた文章】
[文章を貼り付け]

【次に書きたいポイント】
[箇条書きで要点を記載]

複数パターンを瞬時に比較検討できる

人間が「A案とB案、どちらがいいか」を比較するには、両方を書く必要があります。それぞれ30分かかるなら、比較だけで1時間です。AIなら数秒で複数パターンを生成できるため、比較検討のコストが激減します。

たとえば、メルマガの件名を考えるとき。開封率を上げるためにABテストをしたいけれど、案を複数考えるのが面倒——そんな場面でAIが力を発揮します。

以下のプロンプトを使えば、30秒で5つの選択肢が揃います。それぞれに「どんな心理的アプローチを使っているか」も付記されるので、選ぶ際の判断材料になります。

以下のメルマガの件名を5パターン作成してください。
それぞれ異なる心理的アプローチを使ってください。

■メルマガの内容:[概要を記載]
■ターゲット:[読者層を記載]
■目的:開封率を上げる

各パターンに以下を付記してください:
- 使用した心理的アプローチ(希少性、緊急性、好奇心など)
- 想定される効果
- 注意点

実際に出力される例をお見せします。このような形で、比較検討の材料が一度に揃います。

パターン件名案アプローチ
1【残り3日】見逃すと損する〇〇のコツ希少性+損失回避
2なぜトップ営業マンは〇〇をしないのか?好奇心+権威性
3〇〇を変えるだけで成約率が2倍になった話具体的数字+簡便性
4【社外秘】うちの会社でやっている〇〇限定感+内部情報
5〇〇でお悩みの方へ:3分で読める解決策共感+時間明示

誤字脱字・文法ミスを客観的に指摘してもらえる

自分で書いた文章は、何度読み返してもミスを見落としがちです。脳が「こう書いたはず」と補完してしまうためです。そんなとき、AIを「第三者の目」として活用することで、校正の精度が上がります。

校正を依頼するときは、「何をチェックしてほしいか」「どんな形式で出力してほしいか」を明示すると、精度の高い結果が得られます。以下のプロンプトは、そのまま使える基本形です。

以下の文章を校正してください。

【チェック項目】
1. 誤字脱字
2. 文法ミス(てにをは、主語と述語のねじれ)
3. 表記ゆれ(同じ言葉の表記が統一されているか)
4. 冗長な表現(より簡潔に書ける箇所)
5. 分かりにくい箇所(読者が理解しづらい表現)

【出力形式】
修正箇所ごとに以下の形式で示してください:
- 該当箇所:「〇〇〇〇」
- 問題点:[問題の内容]
- 修正案:「〇〇〇〇」
- 修正理由:[なぜ修正すべきか]

【対象文章】
[ここに文章を貼り付け]

ただし、ここで一つ失敗談をお伝えしておきます。

あるとき、AIに校正を依頼した記事をそのまま公開したところ、「御社」と「貴社」が混在していることを読者から指摘されました。AIは個々の誤字は見つけてくれましたが、「文書全体での一貫性」までは確認できていなかったのです。

この経験から、私は校正を2段階に分けるようにしました。

  1. まずAIで個別のミスをチェック
  2. その後、人間の目で「全体の整合性」を確認

特に以下の項目は、AIが見落としやすいため人間がチェックすべきです。

最終的に人間がチェック
  • 文書全体での用語統一(「お客様」と「顧客」の混在など)
  • 事実関係の正確性(AIはファクトチェックできない)
  • 会社独自のルール(社内用語、表記規定など)
  • 文章のトーンの一貫性

    複数人で書いてもトーン・文体を統一できる

    ECサイトで100商品の説明文を5人のスタッフで分担して書く。採用サイトの社員インタビューを複数のライターが担当する。こうした場面では、どうしてもトーンにばらつきが出ます。

    AIに「ブランドボイスガイドライン(言葉遣い、トンマナなど)」を共有しておけば、誰がプロンプトを実行しても同じトーンの文章が出力されます。

    具体的には、以下のようなプロンプトを「共通テンプレート」として社内で共有します。ポイントは、トーン、語尾、禁止表現、ターゲットなどを具体的に明文化しておくことです。

    「親しみやすく」だけでは人によって解釈が異なりますが、ここまで決めておけば、AIの出力も人間のレビューも楽になります。

    以下のブランドボイスガイドラインに従って、商品説明文を書いてください。
    
    【ブランドボイスガイドライン】
    ■トーン:親しみやすく、押し付けがましくない
    ■語尾:「です」「ます」調。「〜ですね」「〜ですよ」は使用可
    ■禁止表現:「絶対」「必ず」「最高」などの断定・誇張表現
    ■ターゲット:30代女性、仕事と家庭を両立している
    ■1文の長さ:60字以内を目安
    ■使用可能な記号:「」『』、!のみ(絵文字は不可)
    
    【商品情報】
    [商品名、特徴、価格などを記載]
    
    【出力形式】
    - 商品説明文(150〜200字)
    - キャッチコピー(20字以内)

    実際にこのアプローチを導入したECサイトの事例を紹介します。

    そのサイトでは、商品説明文のトーンがバラバラで「サイト全体の統一感がない」という課題がありました。上記のようなテンプレートを導入した結果、以下のような改善が見られました。

    指標導入前導入後
    1商品あたりの作成時間15分8分
    トーン統一のための修正回数平均2.3回平均0.5回
    スタッフ間のばらつき(文字数)87字23字

    外注コストを最適化できる(ただし「削減」とは限らない)

    「AIを使えばライターへの外注費が削減できる」という期待は、半分正しく、半分間違っています。

    具体的な数字で説明します。月10本のブログ記事を制作する場合、「外注のみ」「AI+社内編集」「完全社内制作」の3パターンでコストを比較してみました。

    項目外注のみAI+社内編集完全社内制作
    ライター外注費15万円(1.5万円×10本)0円0円
    AIツール費用0円3,000円3,000円
    社内人件費(編集)2.5万円(5h×5,000円)7.5万円(15h×5,000円)15万円(30h×5,000円)
    合計17.5万円10.8万円18.3万円
    社内工数5時間15時間30時間

    この表から分かるのは、以下の3点です。

    1. 外注費は削減できるが、社内工数は増える
    2. 「AI+社内編集」が最もコスト効率が良い場合が多い
    3. 完全社内制作は、人件費を考えると必ずしも安くない

    つまり、AIは「コスト削減」の魔法ではなく、「外注と社内リソースのバランスを最適化するツール」と捉えるべきです。

    では、どの工程をAIに任せ、どの工程を人間がやるべきか。一般的な分担の目安を以下に示します。

    AIに任せる人間がやる
    構成案の作成最終的な構成の決定
    初稿の下書き独自情報・体験談の追加
    表現のバリエーション出しブランドトーンの最終調整
    誤字脱字の一次チェック事実関係・専門性の確認
    リライト候補の提示公開判断

    AI文章作成の6つのデメリット・注意点

    ここまでメリットを解説してきましたが、AI文章作成には見過ごせないリスクも存在します。

    「知らなかった」では済まされない問題もあるため、導入前に必ず把握しておいてください。

    事実と異なる情報を出力する(ハルシネーション)

    AIの最大の弱点は、「もっともらしいウソ」をつくことです。これは「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる現象で、存在しない人物、架空の統計データ、でたらめな引用元を、さも事実かのように出力します。

    どんな「ウソ」が出てくるのか、私が実際に遭遇した事例を3つ紹介します。

    出力内容実際
    「〇〇大学の研究によると、リモートワーカーの生産性は23%向上した」その大学にそのような研究は存在しなかった
    「〇〇法第△条により、この行為は禁止されています」条文の内容が間違っていた
    「〇〇社の売上高は前年比15%増の500億円」数字が実際と異なっていた

    なぜこれが起きるのでしょうか。

    冒頭で説明したとおり、AIは「事実かどうか」を判断しているわけではなく、「もっともらしい言葉の並び」を生成しているだけだからです。「〇〇大学の研究によると」という表現は、文章として自然なので出力されてしまいました。

    では、どんな情報に特に注意すべきか。ハルシネーションが起きやすいパターンを整理すると、以下の5つです。

    1. 具体的な数字を含む情報(統計データ、売上高、日付など)
    2. 専門的な情報(法律、医療、金融など)
    3. 最新の情報(AIの学習データより新しい出来事)
    4. マイナーな固有名詞(中小企業名、ローカルなイベントなど)
    5. 「〇〇によると」という引用形式

    AI出力を公開する前に、以下のチェックリストで確認することをおすすめします。すべてにチェックが入るまで公開しないルールを作ると、事故を防げます。

    □ 固有名詞(人名、社名、地名)は正しいか
    □ 数値データの出典は確認できるか
    □ 引用元として示された情報源は実在するか
    □ 法律・制度に関する記述は最新か
    □ 「〇〇によると」の引用は原典で確認したか
    □ 業界の常識と矛盾する記述はないか

    「どこかで読んだような文章」になる(オリジナリティの欠如)

    AIは過去のデータを学習して文章を生成するため、「誰でも書けそうな、当たり障りのない文章」になりがちです。

    たとえば、以下のような表現を見たことはないでしょうか。これらはAIが頻繁に出力する「テンプレ表現」です。

    • 「近年、〇〇が注目されています」
    • 「〇〇について詳しく解説します」
    • 「結論から言うと、〇〇です」
    • 「いかがでしたでしょうか」
    • 「ぜひ参考にしてください」

    文法的には正しいですが、読者の記憶には残りません。

    では、どうすればオリジナリティを出せるのか。具体的な手法を4つ紹介します。それぞれ「AIのまま」と「加筆後」の比較を見てください。

    1. 独自データを入れる

    ❌ AIのまま:「多くの企業がDXに取り組んでいます」
    ✅ 加筆後:「当社が取引先50社に聞いたところ、DXに『成功した』と答えた企業は12%でした」

    2. 失敗談を入れる

    ❌ AIのまま:「計画的に進めることが重要です」
    ✅ 加筆後:「私は計画を立てずに進めて3ヶ月を無駄にしました。その経験から言えるのは...」

    3. 具体的な固有名詞を入れる

    ❌ AIのまま:「あるツールを使うと便利です」
    ✅ 加筆後:「私はNotionとSlackを連携させ、週次レポートの作成時間を40分→10分に短縮しました」

    4. 読者への問いかけを入れる

    ❌ AIのまま:「メリットとデメリットがあります」
    ✅ 加筆後:「あなたの会社では、どちらの問題がより深刻ですか?」

    これはSEOの観点からも重要です。

    Googleは「E-E-A-T」(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)を重視しています。このうち「Experience(経験)」はAIには絶対に書けない領域です。

    人間が補うべき内容を整理すると、以下のようになります。

    要素AIだけで対応可能か人間が補うべき内容
    Experience(経験)❌ 不可実体験、失敗談、Before/After
    Expertise(専門性)△ 一部可業界特有の知見、最新動向
    Authoritativeness(権威性)❌ 不可実績、資格、メディア掲載歴
    Trustworthiness(信頼性)△ 一部可情報源の明示、透明性

    著作権侵害のリスク

    AIが生成した文章が学習元のデータと類似している場合、著作権侵害に該当する可能性があります。

    文化庁は2024年3月に「AIと著作権に関する考え方について」を公表し、AI生成物が著作権侵害となるかどうかは、以下の2点で判断されるとしています。

    1. 類似性:既存の著作物と表現が似ているか
    2. 依拠性:既存の著作物に基づいて生成されたか

    つまり、AIが出力した文章が、特定の著作物と「表現レベルで類似」しており、かつ「その著作物を学習データに含んでいた」場合は、著作権侵害となる可能性があります。

    リスクを下げるための実践的な対策を3つ紹介します。

    1. コピペチェックツールを使う

    無料で使えるツールとして「CopyContentDetector」「こぴらん」があります。有料ツールならより精度が高いです。

    2. 特定の著作物を模倣する指示を避ける

    以下のような指示は避けてください。

    ❌ 「〇〇さんの文体で書いて」
    ❌ 「△△という本の内容をまとめて」
    ✅ 「ビジネスパーソン向けの丁寧な文体で書いて」

    3. 出力された文章を自分の言葉でリライトする

    AIを叩き台として利用し、出力されたものを自分の手で加筆・修正する方法です。前述した「E-E-A-T」を意識しながら、リライトしましょう。

    機密情報の漏洩リスク

    AIに入力した情報は、サービス提供元のサーバーに送信されます。無料版では入力データがAIの学習に使われる場合もあり、機密情報を扱う業務では注意が必要です。

    また、ツールによってデータの扱いが異なります。業務で使う前に、以下の比較を確認してください(2026年1月時点の情報。最新の利用規約は各自で確認してください)。

    ツール無料版のデータ利用有料版のデータ利用オプトアウト
    ChatGPT学習に使用される場合ありTeam/Enterpriseは使用しない設定で可能
    Claude学習に使用しない学習に使用しないデフォルトで保護
    GeminiGoogle利用規約に準拠Workspace版は使用しない設定で可能
    Copilot学習に使用しない学習に使用しないデフォルトで保護

    業務でAIを使うなら、社内ルールの策定が必須です。

    以下は、そのまま使える社内ルールのテンプレートです。自社の状況に合わせて[ ]の部分を編集してください。

    【生成AI利用ガイドライン】
    
    ■ 利用可能なツール
    ・[承認されたツール名を記載]
    ・個人アカウントの業務利用は禁止
    
    ■ 入力禁止情報
    ・顧客の個人情報(氏名、連絡先、購買履歴など)
    ・取引先の社名、担当者名
    ・未公開の売上・利益などの財務情報
    ・未発表の製品・サービス情報
    ・社内の人事情報
    ・契約書・NDA対象の情報
    
    ■ 利用時のルール
    ・AI出力は必ずファクトチェックを行う
    ・公開前に[承認者]のレビューを受ける
    ・AIを使用した旨を[記録方法]に記載する
    
    ■ 禁止事項
    ・機密情報を含むファイルのアップロード
    ・個人の無料アカウントでの業務利用
    ・AI出力をそのまま外部に公開すること

    思考力・文章力の低下リスク

    AIに頼りすぎると、自分で考え、言葉を選ぶ機会が減ります。

    文部科学省は2023年7月に「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を公表し、生成AIの利用が思考力・判断力・表現力の育成を妨げる可能性を指摘しています。これは学生だけでなく、社会人にも当てはまる問題です。

    「自分は大丈夫」と思っていても、気づかないうちに依存が進んでいることがあります。以下のチェックリストで自己診断してみてください。3つ以上当てはまる場合、依存度が高い可能性があります。

    □ AIなしでメールを書くのに時間がかかるようになった
    □ 文章の構成を考える前にAIに聞くのが習慣になった
    □ AIの出力をほとんど修正せずに使っている
    □ 「自分で書くより AIの方が上手い」と感じる
    □ AIの出力に違和感があっても、そのまま使ってしまう
    □ 短い文章(100字以下)でもAIを使っている

    依存を防ぐためには、以下のような対策が有効です。

    AI依存を防ぐ方法
    • 週に1本は「AIなし」で書く日を設ける
    • AI出力は「たたき台」と位置づけ、必ず30%以上を書き換える
    • AIの提案を「採用しない」判断も意識的に行う

      人間のチェック工数は減らない

      AIの出力をそのまま公開するのは危険です。ハルシネーション、著作権リスク、不自然な表現を防ぐため、必ず人間が最終チェックを行う必要があります。

      「AIを入れれば劇的に効率化する」という期待は、現実とはギャップがあります。JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査2025」のデータを見てみましょう。

      • 生成AI導入企業の「73.2%」が何らかの効果を実感
      • しかし、約6割は効果測定を行っていない
      • 「期待を大きく超える効果があった」はわずか4.0%

      期待値を正しく設定することが重要です。よくある期待と現実のギャップを整理すると、以下のようになります。

      よくある期待現実
      作業時間が1/10になる1/2〜1/3程度が現実的
      AIに丸投げできる編集・確認工数は必ず発生する
      すぐに成果が出る効果的なプロンプトを見つけるまで1〜2ヶ月かかる
      コストが大幅に削減できる人件費を含めると削減幅は限定的

      【用途別】AIを使うべきケース・避けるべきケース

      ここまでメリットとデメリットを見てきましたが、「結局、自分の業務ではどう判断すればいいのか」が気になるところだと思います。

      ここでは、AIを積極的に使ってよいケースと、慎重になるべきケースを整理します。

      AIを積極的に活用してよいケース

      まず、AIを使いやすいのは「リスクが低い業務」です。

      以下の表で、自分の業務に近いものがあれば、積極的に試してみてください。

      用途理由具体例推奨ツール
      社内向け文書外部公開しないためリスクが低い議事録要約、週報、社内FAQChatGPT、Copilot
      構成案・アウトライン作成人間の編集が前提ブログ企画、提案書の骨子Claude(論理構成が得意)
      定型文の複数パターン作成量産が必要で比較検討したいメルマガ件名、SNS投稿案ChatGPT
      既存文章の校正・推敲ミス発見の補助として有効リリース前のチェックChatGPT、Claude
      翻訳・多言語展開人間の確認は必要だが効率化できる海外向け資料の下訳ChatGPT、Gemini

      AIの利用に慎重になるべきケース

      逆に、以下のような業務では慎重になるべきです。「リスク」と「推奨対応」を確認してください。

      用途リスク推奨対応
      医療・法律・金融の専門記事ハルシネーションが重大な問題を招くAIは構成案のみ。本文は専門家が執筆し、別の専門家が監修
      企業の公式見解を含む文書事実誤認がブランド毀損につながる複数人でのレビュー体制を必須化。AI利用を開示することも検討
      独自取材・インタビュー記事人間の一次情報が価値の源泉AIは文字起こし・整理のみ。内容はそのまま活かす
      契約書・規約法的リスクが大きい必ず弁護士・法務部のレビューを経る
      採用関連(求人票、スカウトメール)企業の顔となる文章AIはたたき台。人事担当者が「自社らしさ」を加筆

      判断フローチャート

      それでも判断に迷う場面はあると思います。そんなときは、以下の質問に順番に答えてください。

      【質問1】この文章に誤りがあった場合、どの程度の損害が発生しますか?
      
        → 「訴訟リスクがある」「ブランド毀損につながる」
           → AIは構成案のみ。本文は人間が書き、専門家がレビュー
      
        → 「修正すれば済む」「社内のみの利用」
           → 質問2へ
      
      【質問2】この文章の価値は「正確性」と「オリジナリティ」のどちらにありますか?
      
        → 正確性が重要(製品仕様、FAQ、マニュアルなど)
           → AIで下書き → ファクトチェック必須 → 複数人で確認
      
        → オリジナリティが重要(コラム、オピニオン記事など)
           → AIは構成・たたき台のみ → 独自の視点・体験を大幅に加筆
      
        → どちらも同程度
           → 質問3へ
      
      【質問3】公開後に修正は可能ですか?
      
        → 可能(Webコンテンツ、社内文書など)
           → AIを積極活用OK。ただしチェックは必要
      
        → 困難(印刷物、契約書、プレスリリースなど)
           → AIは補助のみ。人間による入念なレビュー必須

      AIを業務で使う際の実践ポイント

      ここからは、実際にAIを業務で使う際の「具体的なコツ」をお伝えします。

      プロンプトの「型」を持つ

      AIの出力品質は、指示の仕方で大きく変わります。毎回ゼロから考えるのではなく、自分なりの「型」を持っておくと、安定した結果が得られます。

      効果的なプロンプトには、以下の6つの要素を含めると良いでしょう。

      1. 役割設定:「あなたは〇〇の専門家です」
      2. 目的:「〇〇のために」
      3. 対象読者:「〇〇向けに」
      4. 形式:「〇〇の形式で」
      5. 条件:「以下の条件を満たすこと」
      6. 出力例:「以下のような出力を期待します」

      「抽象的でよく分からない」という方のために、実践例を示します。商品説明文を作成する場合、以下のように各要素を組み込みます。

      あなたはECサイトのコピーライターです。(役割設定)
      
      購入検討中のユーザーの購買意欲を高めるために、(目的)
      30代女性の会社員向けに、(対象読者)
      200字程度の商品説明文を作成してください。(形式)
      
      【条件】
      ・メリットを3つ含める
      ・「絶対」「必ず」などの誇張表現は避ける
      ・語尾は「です」「ます」調
      ・最後に行動を促す一文を入れる
      
      【商品情報】
      商品名:〇〇
      価格:△△円
      特徴:□□
      
      【出力例】
      忙しい毎日でも、〇〇があれば安心です。△△だから、□□。
      さらに、◇◇という嬉しいポイントも。
      今なら送料無料でお届けします。

      社内でプロンプトを共有する仕組みを作る

      個人でプロンプトを改良していても、ノウハウが属人化してしまいます。チームで使えるなら、「プロンプトライブラリ」を構築し、共有ドキュメントで管理しましょう。

      以下は、プロンプトライブラリの構成例です。カテゴリ、用途、プロンプト名を整理しておくと、必要なときにすぐ見つかります。

      カテゴリ用途プロンプト名
      記事作成構成案作成【記事】構成案作成_v2.1
      記事作成見出しリライト【記事】見出し改善_v1.3
      メールお詫びメール【メール】クレーム対応_v2.0
      メール営業フォロー【メール】商談後フォロー_v1.5
      校正誤字脱字チェック【校正】基本チェック_v3.0
      校正表記ゆれ統一【校正】表記統一_v2.2

      以下は、運用のコツです。

      プロンプトライブラリ運用のコツ
      1. プロンプトにはバージョン番号をつける(v1.0, v1.1…)
      2. 改良したら必ず共有ドキュメントに反映
      3. 月1回、効果の高かったプロンプトを共有する会を開催

        チェック体制を明確にする

        AIを導入しても、チェック体制が曖昧だと事故が起きます。「誰が」「何を」「いつ」確認するのかを、あらかじめ決めておきましょう。

        以下は、AI生成物のチェックフローの例です。自社の状況に合わせてカスタマイズしてください。

        1. AI出力(担当者)
           ↓
        2. 一次チェック(担当者自身)
           □ ファクトチェック完了
           □ コピペチェック完了(類似率20%以下)
           □ 禁止表現チェック完了
           ↓
        3. 二次チェック(上長または編集担当)
           □ 事実関係の確認
           □ ブランドトーンの確認
           □ 公開可否の判断
           ↓
        4. 公開

        よくある質問(FAQ)

        AI文章作成について、よく寄せられる疑問にお答えします。

        Q1. 無料のAIツールでも業務に使えますか?

        回答:使えますが、制限を理解した上で使ってください。

        無料版には以下のような制限があります。

        • 入力データが学習に使われる場合がある(機密情報NG)
        • 利用回数に制限がある(ChatGPTは時間あたりの回数制限あり)
        • 最新モデルが使えない場合がある
        • サポートがない

        用途に応じた使い分けの目安は以下のとおりです。

        • 個人的な学習・練習 → 無料版でOK
        • 社内文書(機密性低) → 無料版でも可能(ただしルール策定を)
        • 対外的な文書・機密情報を含む業務 → 有料プラン必須

        Q2. AIが書いた文章に著作権は発生しますか?

        回答:AI単独で生成した文章には著作権が発生しないというのが一般的な見解です。

        ただし、以下の場合は著作権が生じる可能性があります。

        • 人間が大幅に編集・加筆した場合
        • プロンプト自体に創作性がある場合

        法的判断は今後の裁判例で変わる可能性があるため、確定的な見解ではありません。重要な文書については、弁護士への相談をおすすめします。

        Q3. SEO記事にAIを使うと、Googleからペナルティを受けますか?

        回答:「AIで作成されたかどうか」だけでペナルティを受けることはありません。

        Googleは2023年2月のブログ記事で、「コンテンツの品質」で評価すると明言しています。重要なのは以下の3点です。

        • ユーザーにとって価値のある情報か
        • E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を満たしているか
        • 検索順位を操作する目的で大量生成されたものではないか

        つまり、AIを使っても「高品質なコンテンツ」であれば問題ありません。逆に、AIで粗製乱造した低品質コンテンツはペナルティの対象になりえます。

        Q4. どのAIツールを選べばいいですか?

        回答:まずはChatGPTから始め、足りない部分を他ツールで補うのがおすすめです。

        以下の表で、自分の状況に近いものを探してみてください。

        こんな人にはこのツールがおすすめ理由
        初めてAIを使うChatGPT(無料版)情報が多く、困ったときに調べやすい
        長文の企画書・レポートを書くClaude論理構成が得意、長文でも品質が安定
        最新情報を含む記事を書くGemini検索連携で情報が新しい
        Officeでの資料作成が多いCopilotWord・Excel・PowerPointと連携
        セキュリティを重視するClaude / ChatGPT Teamデータが学習に使われない設定が可能

        Q5. AIを使っていることは公開すべきですか?

        回答:法的義務はありませんが、場面によっては開示が望ましい場合があります。

        開示を検討すべき場面は以下のとおりです。

        • 読者との信頼関係が重要なメディア
        • 専門家としての見解を示す記事
        • 学術的な文書

        一方、以下の場面では特に開示しなくても問題ないでしょう。

        • 社内文書
        • 商品説明文などの定型的なコンテンツ
        • 構成案やたたき台としてのみ使用した場合

        まとめ

        AIの出力をそのまま使うと、読者は「これAIでしょ」と見抜きます。独自の視点、体験談、具体的なデータを加えて「あなたにしか書けない文章」にする工程こそが、これからのライティングの価値です。

        まずは、リスクの低い社内文書やアイデア出しから試してみてください。1〜2ヶ月使ってみると、「AIが得意な工程」「人間がやるべき工程」が見えてきます。

        AIは「共同執筆者」ではなく「優秀なアシスタント」。最終的な判断と責任は、常に人間が持つ——この原則を忘れなければ、AIは業務効率化の強力な味方になります。




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